Plugin Alliance「bx_opto」の使い方、特徴を解説

今回は、Plugin Allianceより発売されているプラグインエフェクト「bx_opto」の各機能と詳しい使い方をご紹介いたします。

bx_opto 基本情報

本プラグインを一言で説明してしまうと

ハードウェアの名機、「LA-2A」を元にデザインされたオプティカル(光学式)コンプレッサー

なのですが、数あるLA-2A系プラグインとはコンセプトが大きく異なっていて

以下3つの大きな特徴を備えています。

・LA-2A実機(アナログ回路)には搭載できない、「リリースタイムの調整機能」を持つ。

・すべてのコントロールが素直で直線的、歪みのないクリーンな出音。

・コンプレッション感はあくまでLA-2Aを踏襲。非常にアナログ的。

これらの特徴を総合してbx_optoを評すると、

プラグインエフェクトであることの利点を生かし、

史上最もコントローラブルにデザインされたオプティカルコンプレッサー

であると言えます。

以上の特徴を踏まえた上で、詳細な解説へ参りましょう!

各コントロール解説と基本的な使い方

①Peak Reduction

スレッショルドを設定します。

ノブを右へ回していくにつれ、より小さい音にも

コンプレッサーが反応するようになっていきます

コンプレッションが起きると、信号の減衰量が

②ゲイン・リダクション・メーターにdB表示されます。

③Output

メイクアップゲインです。

コンプレッションされて小さくなった音量を取り戻すために使用します。

LA-2Aタイプのコンプレッサーは、Peak Reductionを操作したら、

その都度Outputも調節し、エフェクト適用前後で聴感上の音量を揃えるのが

上手に使いこなすポイントです。

④Speed

リリースタイムを設定します。先述しました通り、このプラグインのストロングポイントです。

ノブを12時に設定すると一般的な他のLA-2A系プラグインと

ほぼ同じ動きになるようデザインされており、

bx_optoに差し替えることで

LA-2Aのコンプ感は維持しつつ

リリースタイムを より速くしたい/より遅くしたい 両方の望みをカバーできます。

ちなみにアタックタイムは変化しません。

Sidechain セクション

コンプレッサーは入力された音量を検知して動作するわけですが、

サイドチェインフィルターを設定することで

任意の帯域を無視させることが可能です。

例えば、メインボーカルにコンプをかける場合

サイドチェインフィルターをハイパスに設定(低音域を無視)することで

歌心のある、安定したコンプレッションが得られます。

サイドチェインフィルターの設定が出力信号にEQとしての影響を与えることはなく、

圧縮はすべての帯域に同時に行われます。

⑤フィルタータイプ

左から順に

ローパス、ハイパス、バンドパス(広)、バンドパス(狭)となっていて

サイドチェインフィルターのタイプをどれか1つに設定できます。

⑥Sidechain on / off / solo

サイドチェインフィルターのオン/オフと

サイドチェイン信号をモニターできるソロモードの切り替えができます。

⑦周波数セレクト

サイドチェイン信号のフィルターを20Hz〜20KHzまで無段階に可変できます。

⑧Mix

コンプレッション後の音にコンプレッションする前の音(原音)をミックスする

パラレルコンプレッションの設定ができます。

圧縮感は自然な範囲に留めつつも、アタックをしっかり強調したい場面などで活躍します。

⑨Power

エフェクト全体のオン/オフを切り替えます。

各種コントロールの設定を済ませたら、必ずプラグインのオン/オフを数回行い、

出音がどう変化したか、望み通りの変化になっているか、オーバーな設定になっていないか

しっかり確認しましょう!

bx_optoと相性の良いサウンドソース

ボーカル、生録音のベース及びアコースティックギターなど

基本的にはオプティカルコンプとして王道な使い方をするのが良いでしょう。

では、他のLA-2A系プラグインとどう使い分けをするのか

筆者の場合で述べますと

・たくさんのトラックそれぞれにオプトコンプを使いたいが、

アナログの歪みが「塵も積もれば山となる」現象で邪魔に感じる時。

・LA-2A系のアタック感はそのままに、速いリリースタイムが欲しい時。

に、bx_optoを使用しています。

おわりに

近年のポップスでは非常に多くの声素材を使います。

しかも単純なハモリという訳ではないので、

バスでまとめて処理するのは難しい場合が多いです。

それらのトラックそれぞれにアナログエミュレートのLA-2A系コンプを使うと

1トラックずつ聴く限りでは説得力の高い歪み感を得られるのですが、

2ミックス全体で聴くと倍音が重なりすぎてサウンド全体がぼやけてしまうことがあります。

また、ボーカルチョップ、カットアップされたトラックなど

LA-2Aのゆるいリリースタイムでは処理しきれない時もあります。

そんな時には是非、アナログとデジタルのいいとこ取りをしたbx_optoをお試しください。

使い所として以前紹介した、Opticom XLA-3と対照的ですね。

これらを合わせて使いこなせると、サウンドメイキングの幅が

圧倒的に広がりますよ!

ではまた!

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